インバウンド広告(訪日外国人向け広告)とは?メリットや成功事例を紹介

「インバウンド広告のメリットとは?」
「広告効果のある事例が知りたい」
円安やコロナの規制緩和などにより、訪日外国人は増加の一途をたどっています。インバウンド向けに広告を打つことで、集客や売り上げアップにつながります。
しかし、日本と同じ広告では効果は期待できません。訪日外国人の心をつかむには、その国ならではの文化やトレンドに合わせた戦略が必要です。
そこで本記事では、インバウンド広告の活用方法や注意点を丁寧に解説します。成功事例も紹介するので、ぜひ参考にしてください。
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インバウンド広告とは

訪日外国人を対象とした広告
インバウンド広告とは、外国人観光客(インバウンド)をターゲットにした広告のことです。主に日本の観光地、宿泊施設、飲食店、ショッピング施設、文化体験などを外国人旅行者にPRする目的で展開されます。
多言語対応やデザインなど、通常の広告よりさまざまな配慮が必要です。また、オンライン広告だけでなく、空港・観光地などのデジタルサイネージやポスターもインバウンド広告に含まれます。
▶インバウンドの意味と使い方は?メリットや対策についても徹底解説!
インバウンド広告が必要な理由
- 外国人観光客が増えている
- 競争の激化による差別化
- 消費者が質の高い体験を求めている
外国人観光客が増えている
外国人観光客は年々増加しており、観光業が日本経済に与えるインパクトは非常に大きいです。JNTO(日本政府観光局)が公表している統計データによると、2024年は約3,687万人も外国人観光客が訪れました。
特に「爆買い」層と呼ばれる中国・台湾・香港などの観光客は、高級品・家電・コスメへの関心が高く、1人あたりの消費額が高い傾向にあります。
競争の激化による差別化
インバウンド市場は年々拡大し、多くの企業が訪日外国人をターゲットにしたビジネスに参入しています。競争が激化し、同じような商品やサービスがあふれる中で、他社と差別化を図ることが重要です。
そのためには、自社の強みを明確に伝え、ターゲット層に直接アプローチできるインバウンド広告の導入が欠かせません。
消費者が質の高い体験を求めている
訪日外国人は、単に「日本を訪れる」だけでなく、質の高い体験を求めています。特に富裕層やリピーター層は、日本ならではの文化や特別なサービスに触れられる、ワンランク上の体験に期待しています。
こうした消費者のニーズに応えるためには、ターゲット層に合った情報を適切なタイミングで届けることが重要です。広告を通じて、興味・関心の高いユーザーに自社のサービスや魅力的な体験をアピールしましょう。
インバウンド広告の主な種類
- SNS広告
- インフルエンサーマーケティング
- SEM・リスティング広告
- 動画広告
- 現地のマスメディア広告
- OTA広告
- イベント・展示会
- オフライン広告
SNS広告
- YouTube
- TikTok
インバウンド広告の中でも、SNS広告は訪日意欲の高いターゲット層に直接アプローチできる強力な手段です。SNS広告は、年齢、性別、興味・関心、地域など細かなターゲティングが可能だからです。
YouTubeの動画広告で訪日意欲を刺激し、Instagramの広告で訪日中の外国人観光客にアプローチするなど、SNS広告を使い分けることで、訪日前・訪日中・訪日後の各フェーズで効果的な情報発信が可能になります。
訪日意欲の高い層にダイレクトに情報を届けられるため、広告の無駄を抑えつつ、高いコンバージョン率が期待できます。
インフルエンサーマーケティング
ターゲット層に影響力のあるインフルエンサーが、日本の観光スポットや文化体験をリアルに発信すると、共感と信頼が生まれます。広告では伝えきれない生の声が、訪日への興味を自然に引き出します。
例えば、Instagramインフルエンサーなら、桜や神社などのフォトジェニックなスポットを紹介してもらいます。YouTubeインフルエンサーなら、Vlog形式で日本滞在記をドキュメント風に発信する方法も効果的です。
インフルエンサーマーケティングをお考えなら、ヒーローキャスティングにご相談ください。戦略・企画立案から制作・実施まで対応いたします。無料で相談を承りますので、お気軽にお問い合わせください。
SEM・リスティング広告
SEM(検索エンジンマーケティング)・リスティング広告は、訪日前の情報収集段階で高い効果を発揮します。
GoogleやYahoo!などの検索エンジンでキーワードを検索した際に、関連性の高い広告を検索結果の上位に表示することで、ターゲット層にダイレクトに情報を届けられます。

Googleは検索エンジンのシェア率が世界一です。ただし、中国や韓国ではGoogleではない検索エンジンがメインに使われています。
動画広告
動画広告は視覚と聴覚を刺激し、日本の魅力をダイレクトに伝える強力なマーケティング手法です。観光地の風景や文化体験、グルメなどを臨場感たっぷりに紹介でき、訪日意欲を大きく高めます。
例えばグルメ紹介では、ラーメンのすすり音や屋台でジュージューと焼ける音が、視聴者の食欲を刺激します。画像やテキストだけでは伝えきれない「その場にいる感覚」を生み出し、観光の魅力を倍増させます。

音や動きがある動画は、文章よりも記憶に残りやすいと言われています。
現地のマスメディア広告
現地のマスメディア広告は、ターゲット国・地域の消費者に直接アプローチできる有効な広告手法です。テレビ・ラジオ・新聞など、現地メディアを通じて情報を発信することで、日本への関心や訪日意欲を高めます。
例えば、ターゲット国の人気番組の合間に流すテレビCMは、広範な層にアプローチできます。視覚・聴覚の相乗効果で「日本に行ってみたい」という感情を刺激します。
OTA広告
OTA広告は、訪日外国人が旅行の計画や予約を行う際に利用するオンライン旅行代理店のプラットフォーム上で展開する広告です。宿泊施設の予約ページや検索結果画面に広告を表示し、見込み客にアプローチします。
例えば、OTAサイト内のバナーエリアや特集ページに広告を掲載、観光地や季節限定の特集ページを組んでPRするなどがあります。

OTAはOnline Travel Agencyの頭文字です。インターネットのみで取り引きを行う旅行会社を指します。
イベント・展示会
イベント・展示会は、日本の観光・文化・特産品の魅力をリアルに体験してもらえる広告手法です。実際に「見て・触れて・味わう」ことで、訪日意欲を大きく高められます。
例えば、JNTO(日本政府観光局)が開催する「Japan Travel Fair」では、観光パンフレットの配布や体験ブースを設置することで、訪日前の見込み客にアプローチできます。

物産展やグルメフェア、文化・アート展示会などさまざまなイベントが開催されています。自社の商材やサービスに合うイベントを選びましょう。
オフライン広告
- バスや電車など交通機関の広告
- ポスター
- パンフレット・フリーペーパー
- デジタルサイネージ
- 新聞・雑誌
オフライン広告は、インターネットを利用しない、従来の広告手法を通じてインバウンド観光客にアプローチする方法です。
例えば、到着した訪日外国人向けに空港や観光案内所で配布するパンフレットや、観光地周辺に設置されたデジタルサイネージなどが挙げられます。

特に東京の浅草や京都の清水寺周辺など、訪日外国人が多く集まるエリアでのオフライン広告は効果的です。
インバウンド広告のメリット

- 地域経済の活性化につながる
- 世界中の潜在顧客にアプローチ可能
- 高い費用対効果が見込める
- SNSや口コミ拡散による波及効果が期待できる
- Web広告ならデータ収集可能
地域経済の活性化につながる
インバウンド広告は、外国人観光客の訪日意欲を高め、地域経済の活性化に貢献します。観光地だけでなく、伝統文化や特産品、地元の飲食店など多彩な魅力を発信すれば、消費拡大と地域資源の価値向上が期待できます。
さらに、伝統工芸品や特産品の認知度が高まると、訪日後のリピーターがオンラインで購入する機会も増え、地域経済への継続的な貢献につながります。

地域の雇用創出やサービス業の発展なども期待できます。
世界中の潜在顧客にアプローチ可能
インバウンド広告は、世界中の潜在顧客に向けて日本の魅力をダイレクトに発信できます。オンライン広告なら、距離や時差の壁を超え、ターゲット層が関心を持つ情報をリアルタイムで届けられます。
例えば、Instagram広告で日本の四季折々の風景や文化体験を紹介すれば、海外のミレニアル世代・Z世代に日本旅行への関心を高められるでしょう。

ミレニアル世代は1980年代前半から1990年代半ばまでに生まれた人、Z世代は1990年代中盤以降に生まれた人を指します。
高い費用対効果が見込める
インバウンド広告は、広告費を抑えつつ、訪日促進や消費拡大が期待できます。特にオンライン広告は、従来のマスメディア広告に比べてコスト効率が良く、関心のある層にピンポイントでアプローチできるのが魅力です。
また、オンライン広告は配信予算の柔軟な調整が可能です。少額から始めて効果を見ながら段階的に拡大できます。
SNSや口コミ拡散による波及効果が期待できる
ターゲット層に情報を届けるだけでなく、SNSや口コミを通じて自然な拡散効果も期待できます。訪日体験や日本文化への感動を共有する投稿が広がり、広告ではリーチできなかった層にも日本の魅力が伝わります。
SNSや口コミ拡散の波及効果を最大化するには、ターゲット層が「共有したくなる体験」の提供が重要です。例えば「映える」写真スポットを設置する、ユニークな体験プランを用意するなどが考えられます。
Web広告ならデータ収集可能
Web広告を活用すると、ターゲット層の行動データを詳細に収集・分析できます。従来のマスメディア広告では把握しづらかったユーザーの関心度や行動パターンをデータ化し、次の広告戦略に反映できるのはメリットです。
PDCAサイクルを高速で回せるため、結果を早く出したい場合にもおすすめです。
インバウンド広告の注意点

- 行動フェーズごとの戦略を整える
- 国ごとの文化や価値観を尊重する
- 多言語対応は直訳を避ける
- 国やターゲットに合うSNSを選ぶ
- 広告はオンオフのバランスを考慮
- データ分析とPDCAサイクルを徹底
- インフルエンサーの選定は慎重に
行動フェーズごとの戦略を整える
確実にターゲット層へアプローチするには、訪日前・訪日中・訪日後の各フェーズに適切な戦略を整えるべきです。関心やニーズはフェーズごとに変化するため、一貫した広告戦略では十分な効果が得られません。
各フェーズの心理や行動を的確に捉え、段階ごとに適したメッセージや広告手法を展開すれば、訪日行動や消費行動につながります。
訪日前フェーズの有効な広告手法一例
ビジュアルコンテンツで観光地や文化体験の魅力を発信 | |
YouTube動画広告 | インフルエンサーを活用した「体験型動画」で訪日体験を疑似体験させる |
訪日前は、ターゲット層が「日本に行ってみたい」と感じる動機づけのフェーズです。この段階では、視覚的に魅力を伝え、興味を引きつける広告が効果的です。
訪日中フェーズの有効な広告手法一例
Googleマップ広告 | 近隣の観光スポットやレストラン情報をリアルタイムで提供 |
WeChatミニプログラム | 中国市場向けに観光案内・クーポン情報を一括提供 |
デジタルサイネージ | 観光地周辺で即時の興味を引き、訪問・消費行動を促進 |
訪日中は、ターゲット層が「どこに行こう」「何を体験しよう」とリアルタイムで情報収集するフェーズです。行動に直結する情報提供と特典の提示が効果的です。
訪日後フェーズの有効な広告手法一例
訪日体験のハッシュタグ投稿を促進し拡散を図る | |
リターゲティング広告 | 訪日経験者向けに新しい観光情報や限定クーポンを配信し、再訪を促す |
メールマーケティング | 訪日後のフォローアップで、次回訪問時の特典情報を提供 |
訪日後は、ターゲット層が日本での体験をシェア・口コミ投稿するフェーズです。この段階では、SNSでの口コミ拡散やリピーター施策が効果を発揮します。
国ごとの文化や価値観を尊重する
インバウンド広告は、単に自国の魅力を発信するだけでは不十分です。ターゲットとなる国や地域ごとに異なる文化的背景や価値観を尊重することが、広告成功の大きな鍵です。
例えば、中東圏では宗教上の理由により、アルコールや露出の多いビジュアルは避けるべきです。不用意なミスが炎上やブランドイメージの低下につながる可能性があるため、配信前に現地文化を理解しておきましょう。
国ごとの文化や価値観を把握するのは難しいです。炎上トラブルを避けるなら、ヒーローキャスティングにご相談ください。世界各国の現地法人とのつながりがあるので、ターゲット国ごとにマッチした戦略をご提案します。
多言語対応は直訳を避ける
直訳や自動翻訳に頼った不自然な表現では、ターゲット層の信頼を得るのは難しいです。現地の言葉だけでなく、ターゲットの文化にマッチしたトーンや語調で訴求すれば、広告の親しみやすさが格段に向上します。
広告表現やメッセージは、現地のパートナーや専門家による検証を経て、改善しましょう。事前に現地の反応を確認しておけば、誤解や炎上リスクを回避できます。
国やターゲットに合うSNSを選ぶ
人気のSNSを使うだけでは、期待する効果は得られません。ターゲット市場ごとの習慣や利用傾向を把握し、適切なSNSの選定が求められます。
例えば、TikTokは短時間でインパクトを与えやすいですが、深い情報提供には不向きです。一方、WeChatでは情報提供からクーポン配信、口コミ管理まで一括管理が可能です。
ターゲット層が「どの場面で、どのSNSに期待しているか」を考えた上で、適したプラットフォームを選びましょう。

ターゲット層の行動は1つのSNSだけで完結しません。訪日前・訪日中・訪日後の各フェーズで適切なSNSを組み合わせ、クロスチャネル戦略で効果を高めましょう。
広告はオンオフのバランスを考慮
オンライン広告だけに頼るのではなく、オフライン広告とのバランスを考慮しましょう。ターゲット層に適した情報を、適したタイミングで届けるためには、両方のタッチポイント活用が効果を高める秘訣です。
例えば、訪日前はSNSやYouTubeで観光情報を発信し、旅行への関心を高めます。訪日中は、パンフレット・フリーペーパーで詳細情報やクーポンを提供し、現地での行動を即時に促すという具合です。
それぞれ広告の強みを活かしてクロスチャネル戦略を展開すれば、大きな相乗効果が生まれます。
データ分析とPDCAサイクルを徹底
広告を出して終わりではなく、データを基に仮説検証と改善を繰り返すことで、ターゲット層への訴求力が飛躍的に向上します。
例えば、広告クリエイティブの改良です。広告のクリック率や動画視聴完了率を分析し、ターゲット層が最も興味を示したビジュアルやメッセージを特定しましょう。
デザインやキャッチコピーなどをターゲットに響く内容に調整すれば、次回の広告パフォーマンスが向上します。

他にもターゲティング精度や配信のタイミングなど、さまざまな角度から調整を加えると成功しやすいです。広告が改良されれば、広告費用の無駄も削減できます。
インフルエンサーの選定は慎重に
インフルエンサーを活用する際は、ターゲット市場やブランドイメージに合致したインフルエンサーを慎重に選定しましょう。
フォロワー数の多さだけで判断すると、ターゲット層とのミスマッチが生じ、期待する広告効果が得られません。
外国人インフルエンサーをお探しなら、ヒーローキャスティングにおまかせください。各国の文化や法律に精通したキャスティングディレクターが、インフルエンサーの選定から制作進行まで、一貫してサポートいたします。
インバウンド広告の成功事例
大阪観光局のインバウンド広告
大阪観光局は、中国市場向けにWeChatミニプログラムを活用し、観光地やグルメ、ショッピングエリアの情報を一括提供しました。
訪日前には観光プランの検討を促し、訪日中にはGPS連動機能で近隣の観光地やレストランをリアルタイムで案内しています。さらに、クーポンや特典情報の配信により、訪日客の消費行動も活性化しています。
参考:大阪観光局
JNTOのインバウンド広告
JNTO(日本政府観光局)は、欧米のミレニアル層やZ世代に向けてInstagramのビジュアルコンテンツを活用し、日本の文化体験や自然の魅力を発信しました。
インフルエンサーとのコラボでは「#JapanJourney」「#VisitJapan」のハッシュタグを用いて投稿を拡散、Instagramストーリーズ広告ではターゲット層にリターゲティング広告を配信しました。
これにより、投稿インプレッション数が増加し、欧米からの訪日観光客数の増加にもつながりました。
参考:JNTO
インバウンド広告に関するよくある質問
Q.インバウンド広告で効果的なプラットフォームは?
ターゲット市場やターゲット層に応じて、効果的なプラットフォームは異なります。例えば、欧米市場向けならInstagramやFacebook、中国市場向けならWeChatやWeiboが効果的です。
Q.インバウンド広告でよくある失敗例は?
自動翻訳に頼り、不自然な表現や誤訳がターゲット層の信頼を失う原因になるケースがあります。直訳は避け、文化や価値観を踏まえてローカライズしましょう。
Q.インバウンド広告の炎上リスクを回避する方法は?
国・地域ごとのタブーや価値観を理解し、誤解を招かない広告を作成しましょう。広告文やビジュアルは、現地のネイティブスピーカーや専門家のチェックを受けると安心です。
Q.インバウンド広告はどんなデザインが好まれる?
観光スポット、食文化、伝統体験など、視覚的に「体験」を想起させるビジュアルが効果的です。さらに、シンプルで視認性の高いデザインを心がけると目を引きやすいでしょう。
インバウンド広告のまとめ
インバウンド広告は、売り上げアップや地域の活性化に欠かせないマーケティング手法です。適した広告配信ができれば、訪日中はもちろんのこと、訪日後の消費行動まで期待できます。
インバウンド広告をお考えなら、ヒーローキャスティングにおまかせください。マーケティング戦略・企画立案から制作・実施まで対応いたします。無料で相談を承りますので、お気軽にお問い合わせください。